
待望の21アンタレス
21アンタレスDC 下町スプール の特徴はなんと言ってもナロースプール。
その特性を最大限に活かしたいと考えています。
ド遠投は18アンタレスDCMDに任せて、実釣行でよく使うルアーを全域で飛ばす「スーパーレスポンス」を目指し、5g程度のバチ抜けルアーから13cm程度のミノーなどが快適にぶっ飛ぶシーバス専用スプールです。

基本スペック
基本スペックは、18アンタレスMDを踏襲。
デザインは、19アンタレス
・ナロー化で更なるレスポンス向上
・ラインキャパの最適化でスプール総重量は、15%削減
慣性モーメントは25%削減
・21ユニットでブレーキ性能も飛躍的向上
ウーン、かなりヤバいかも・・・
こんなの、世に出していいのか・・・
ラインキャパ
この1年間、PE2号-120mのAスペを使用していましたが、釣行で不足を感ずる事は一度もありませんでした。メタルジクではラインキャパは足りなくなりますが、使わない領域のラインはオモリと考え、自分が飛ばせる飛距離のラインキャパです。
私の場合、普段のシーバス釣行ではメタルジグは使用しませんので思い切って捨てました(笑)
タカギレすれば足りなくなり、バックラシュを頻繁にする釣りには向いていませんが、純正では考えられない尖った仕様です。
・重たいルアー ⇒18アンタレスMD
・超軽量ルアー ⇒19アンタレス
・中間 ⇒21アンタレスDC
リールの機能はラインをストックする場所でもありますが、これはオフショア的な考えでショアキャスティングは必要な分だけあれば良いと考えています。
釣竿は、長さやパワーなど選択肢は豊富ですが、スプールは純正キャパの一択なんですよね。
50mしか飛ばないのに、200mもいらん!
ナロー
純正スプールは 19mmのナローで、遠投には不向きです。100mくらいまでと考えています。
ラインが放出されると、キャスト後半は軸が痩せてしまう。
スプールは過回転に陥りますが、その辺りはDCユニットで上手く処理されているように感じます。
投げてみないと分かりませんが、もう少しナローにしても面白いかも。
ラインキャパと相談して決めます。
とは言え、巻き感にも影響してきますので丁度良い所を探っていきます。

DCユニット
問題はこれ!
リマッピング出来ればいいですが残念な事に、プログラムは弄れない。
私の推測ですが、どのタイミングでどれだけブレーキが介入されているかがプログラムによってことなります。
つまり、16、17、18、21とすべて異なっています。
言える事は、最新式のユニットが標準装備
スプールが軽くなるとブレーキが効きすぎてしまうので、開発中のマグネットの最適化でどこまで対応できるかですが、こればっかりは投げてみないと判断がつきません。
また、マグネットの最適化しても飛距離が伸びるとも限りません。
飛距離は、プログラムに依存しているからです。
以前、磁力を弱くした「ゆるゆるブレーキ」を製作しましたが飛距離は変わりませんでした。
トライ&エラーあるのみです。
開発費
懸念材料として悩ませられるのが開発費用の捻出
・複数のリール本体、スプール代金
・NC旋盤のプログラム
・マグネットの試作
・テスト、人件費、etc
21アンタレスDCが上市され、18MDの売り上げも激減・・・
頭が痛い(>_<)
18MD+下町スプール
村田さんが開発し、シマノが生産した18アンタレスDCMD
それに加え、私が自信を持って作った下町スプール
それでも、技術の進歩は目を見張る
性能や技術面が高止まりすると、今度求められる事は フィーリング、デザイン、質感と言った感覚的な事になると思っています。
これからのカスタムスプールは軽いだけではダメ!
スプール屋としてのプライドを賭けて全力で勝負します!
18アンタレスDC用も引き続き開発は継続して参ります。
プロトの試投

128m
ロッド:ヤマガ103MH
ライン:PE1.5号
おもり:ナス型8号
風速 :2.5m前後
飛距離は十分出ています。
しかしながら、120mを超えると
軸やせから、過回転に陥り
着水間際ではサミングしないとバックラッシュしてスプールがロックします(笑)
このあたり、ナローと考えれば仕方ない事なんでしょうね。
ラインが太くなれば、その傾向はなおさら強くなる。
マグネットは、18用を合わせてみましたが緩い為、磁力UPしたモノを製作中です。
9月頃に完成予定なので、リリースには間に合うと思います。
途中経過



A-spec
9.6g
1号-100m

B-spec
9.4g
1.5号-140m
21アンタレスDC 下町スプール は3回の製作で、だいぶ仕上がってきました。
A-specは、ライトバーサタイルに振っています。
B-specは、ベイトシーバスのど真ん中を狙って、2号でも130mを確保しています。
ブランキングは支柱を避け、センターに配置
強度を確保する為、応力集中を避けボビンは外に向かって薄くなるテーパー状に、リム増設やRを大きくとっています。マス集中化、強度がそれほど必要ない側面にも追加しました。
あとは、表面処理やマグネットの完成といった所か・・・
予約も集まってきていますので、初回生産は9月を予定しています。
もう少し、お待ちくださいね~
磁力設計
21アンタレス用の下町スプール
まずは、18用のマグネットを合わせてみる。
磁力は純正の90%である。
緩い・・・
飛距離は申し分ない。
30gシンカーで130m前後だ
しかし、普段使う15g~20g程度のルアーではPモードで言う、
5付近である。
軽量ルアーでは、やむを得ずNモードを使用する事に
・Pモード=ショアジギ、遠投専用
・Nモード=シーバスルアー
・Fモード=小型ルアー、向かい風など
こんな感じでテストを繰り返す・・・
そうすると、ナイロンやフロロでは使えない・・・
なので、急遽製作することにしました。

今回の磁力設計は純正の95%
Pモード
1.30gシンカー
2.鉄板バイブ、シンペン
3.重心移動ミノー
これでほぼ純正と同じダイヤルポジションに収まる。
そして、ナイロンやフロロにも当然、対応しています。
良かった(笑)
マグネットは遠心ブレーキで言う、ブレーキシューの質量に相当します。
磁石の回転速度(変化)× 磁力 = 発電量
なので、今回は21用の下町スプールに最適化したマグネットで快適になっています。
今でこそ、狙った磁力を出す事が可能ですが最初の頃は苦労しました。
何回も挫折しています。
日本では、大手マグネットメーカーは4社ありますが
・個人との取引は出来ない
・生産ロットは1万個!
・金型、治具などは100万越え
・これだけ小さいと技術的に困難
こんな事を言われてました(笑)
テスターが加わる
今までは、ほぼ一人で製作していました。
製作もテストも全て自分の判断次第。
しかし、今回はスタッフが加わり、情報を共有しながら作業をすすめる。
意見の食い違い、考え方で何度も衝突しました(笑)
複数の人で進めるプロジェクトはやはり難しい。
でも、お陰で良いものが完成しました。
とっても感謝していますし、歓びや満足度も倍です。
この21用のスプール製作に取り掛かったのが、3月
気が付けば、半年が経過。
時の流れはとても早い・・・
これで、ハイシーズにはお届けできると思います。
もう少しお待ちください。
※21アンタレスDC 用の 下町スプール 情報は随時更新
コメントを残す