目指せ、世界選手権! 12個目のメダル

下町スプール 世界選手権に参戦

先日、とある方から低慣性のスプールが欲しいとのメールを頂きました。
実はこの方、某メーカーのテスターも務め国内のキャスティング大会では優勝し、世界選手権で11回表彰台に上がり、金3個、銀2個、銅6個を獲得した凄い方。早速、お会いして現在取り掛かっている21アンタレスのプロトの評価、情報交換させて頂く事になりました。



ベイト 世界記録
レベルワインド、サムレストは無い

タックル

試合はラインとウエイトはレギレーションで定められているが他は自由。

ある試合でABUの5gスプールを自慢げに見せられたそうで、できるだけ低慣性のスプールが必要なのである。

竿は80tカーボンにシートを乗せ、グリップにテープを巻いただけのシンプルな構造。
リールにも当然手が加えられ、釣りへの考慮は存在しない。ひたすら遠くに投げる為だけに作られた潔い道具である。



ベイト 世界記録

測定

きちんとした計測をする為、野球場を借りレーザーによる測定と試合さながらである。投げる度に風速は記録される徹底ぶり。官能的テストは曖昧でいい加減であり、こう言ったデータ収集は極めて大事な事である。
風速3mとやや強い追い風でスタート



21アンタレス  + プロトスプール + 純正マグネット

ブレーキがかかり過ぎて飛距離が出ない。

ここで18MD用のマグネットに変更。
ベンチにはパーツや工具が並び、セッティングに勤しむ。とても釣関係者とは思えない光景である(笑)
その後、順調に距離を稼ぎ飛距離は格段に伸びた。

セッティングを詰めて確認する作業、本格な投げ込みが始まる。

何投かすると、「カッン」と聞こえてきた。 
近寄ると、どうやらフェンスに辺り跳ね返ってきたようだ。


その距離はなんと110m!

これ以上は測定出来ないとの判断に至り、終了。

因みに、私の記録は 18アンタレスMDの98mであった⤵
もし、今回の試投がPEラインであれば、さらに伸びるのは容易に想像が出来る。
ナイロンライン、18gの樹脂シンカーでのこの距離は凄い。


私も普段からテストで投げ込みしているが、ある所を境に飛距離は全く伸びなくなる。
そこから先の1mは決して容易では無い。地味に積み上げるしかないのである。

そして、これら一連の作業、環境に応じたセッティング、キャスティングは実に面白い。ミスればバックラシュやラインブレイクなどもあり、ベイトキャスティングならではの醍醐味だ!

商品のテストは答え合わせであったり、途方もない間違い探しと向き合い、こうして良い製品が仕上がるの実感した一日でした。





世界選手権大会

飛距離が伸びると本当に嬉しいのである。
秋にドイツの大会があると伺っており、現在の世界記録は 114m と射程圏内との事!
もともとは、遠投に特化した自分専用のスプールが世界に挑戦する事になるとは思いもよらなかった。

今大会に間に合うか微妙だけど、世界のテッペンを是非見たい。


この際、釣果はどうでもいい。
挑戦は始まったばかりである。

2 件のコメント

  • 何かすごいことになっていますね!
    製品向けと一日投げたら壊れていい競技用では違うかも知れませんが、車などはレースが実験場で製品にフィードバックしますからね、更なる進化期待しています。

    • 有難うございます。
      ギリギリ釣りができる道具を目指します(笑)
      一番難しいのはブレーキシステムですね。
      軽量スプールにマッチするブレーキ制御に力を入れる必要あありますね。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    遠投バカのソルトアングラーです。 下町スプールの製作を生業とした日本でも稀なスプール屋です。 グランブルーリンク代表